小惑星について

 

 小惑星の意味と解釈ですが、私が、今まで主に使用してきたのは、ジュノー、ベスタ、セレス、パラスです。これらは、火星と木星の間にあるもので、その他にも、私が使用しているアトロロジー・ソフトのソーラー・ファイアーには、アストラエアやヒュゲイアなどが表示できますが、後者の2惑星は、ほとんど使用していないので、私が説明出来る知識は少しだけです。

 

  火星と木星の間にある小惑星群では、上記の最初の4惑星が重要だと思っています。私の知識も、日本の他の占星学研究家の説明を大きく上回るような説明は出来ないかも知れません。キローンに付いては、みなさんもいくらか経験を積んで来ている人も多いと思います。上記の小惑星群も、時には重要な働きをすることがあります。

 

 まず、小惑星をチャートに入れて解読する場合は、上記のジュノー、ベスタ、セレス、パラスの4惑星から始めてみるべきでしょう。

 

  1、解読の基本テクニック

 

  A,小惑星は、単独では影響は弱いので、通常使用する惑星に対して、重要なアスペクトを持っているかどうかを調べること。この場合は、メジャー・アスペクトが重要で、特に合とオポジションを重視する。他のアスペクトの影響はは弱い。(マイナー・アスペクトは無視して差しつかえないでしょう。)

 

  B,何かアスペクトを作る惑星でも、太陽、月、ASC、MC、またはアセンダンとの支配星とアスペクトを作った場合は強力に作用する。特にそれらの惑星などの重要なポイントに対して2度以内のメジャー・アスペクトがある場合は強く作用する様である。

 

  C,惑星とアスペクトを作っていなくても、アングルにあり、特に、ASC、MC、DESC、ICの四つのポイントに2度以内で会合している場合も、ある程度は強力に作用することがある。

 

  D,ネータルのみならず、プレネータルやハーニクスの場合もほぼ同じ解釈で良いだろう。進行チャートの場合は、特に太陽と月が進行した時に小惑星と会合(0度・コンジャンクション)した場合のみを扱えばよいだろう。木星や土星等のトランシットも同様である。つまり、ある惑星がトランシットしてネータルの小惑星に対して合の場合のみを扱うということ。トランシットの場合は、他の惑星に会合した場合のように通常の惑星のように3,4度過ぎまでも許容度を持つ必要は無いと思わる。正確な合から1度、または1度30分くらいで良い。時には最大2度くらい離れるまでを影響の範囲内と見て読んで行けばよいだろう。小惑星自体のプログレッションとトランンシットの場合は、普通は太陽や月、ASCとその支配星、MCとその支配星に合になった場合のみを判断すれば十分だと思う。

 

  まず、火星と木星の中間にある小惑星の基本的性質について私の考えを述べ、後は自己の鑑定の経験や他の先生の意見を交えつつ、少し説明して行きます。

 

  まず、私の直感から言って、「小惑星帯は、昔大きな惑星があったが、核兵器などの戦争で破裂した」という何人かのチャネラーやUFO研究家の説は、ほぼ間違いだと思います。それらはイマジネーションの産物であると思われます。実際に小惑星群の星々の質量や容積を全て合わせても、水星の大きさにもほど遠いということが判って来ているからです。古代に地球や火星程度の大きさがあってなお文明を持った惑星が存在したというのは考えられません。結局、初めから、小惑星になるようなレベルのガスとチリの量しかなかったか、または、まとまった惑星があったが、かなり小さな物で、大きな惑星や彗星の衝突によって破壊したのだと考えています。またこの問題については、「ヌース理論」で最近知られてきた半田広宣氏の考え方も同様です。この理論については、たま出版で出している本やヴィデオをみると良いでしょう。

 

  火星と木星の間にある小惑星帯全体の基本的な波動の性質は、「火星の波動の持っている男性性とその行き過ぎを適当に中和しつつ、魂、または現実レベルの成長や膨張を計るために必要な調整機能を行うポイント」と解釈するのが妥当だと思います。この性質を一言で「根源的な女性性」という言い方で説明する人がいますが、それはかなりマトを得た表現であり、基本的にはそれでよいと思います。火星の男性的で荒削りな面を他者との交流を通じて、もしくは自己の内面の女性原理や自然を通じて、より洗練させて穏やかなものにして行くのが、この小惑星群の役割であると言えそうです。そうしないと、魂のエネルギーが荒削りのまま次の木星の成長段階に入って行くので、波動が不安定になるからです。また、火星と言う比較的個人的な意識レベルと、木星と言う社会的な意識レベルの中間にあることから、他者との関係や、愛情表現に関係があるという解釈も当然正しいと言えます。特に結婚生活や仕事上のパートナーとの関係、または、近所付き合いなどにも関わってきます。

 

 2、 各小惑星の意味と判断のキーになる事柄

 

  ジュノー・・・キー・ワードが「正妻の権利主張」とある通り、女性の意識の中にある火星的なエネルギー、または男性原理(アニムスのような働きをするもの)として捉えるべきでしょう。夫との個人的な生活や会話であろうと、社会的な場であろうと、他者に明確に自己を主張することや訴える能力はこのジュノーの働きと言えます。大体、牡羊座の性質のある部分に似ていますが、この惑星自身だけで物事を開拓したり、他者に命令したりするような激しさは無いようです。一般に結婚後の女性の家庭内の生活状況、地位を示します。

 

  ベスタ・・・性的な禁欲を表したり、そのエネルギーを霊的なレベルに昇華するために使われることを示す惑星です。魂の純粋さを保つために何が必要であり、そして、集中すべきテーマとか、焦点を合わせる分野を指し示すことが多いのです。ただ、この惑星は、時には、土星的な心理抑圧感を持ったり、ケチになったり、性的なことを極度に嫌う潔癖性として出たりします。その点を自覚し、極端にならないように意識と行動をバランスさせる事も大切です。太陽や月と合であると、そのサインや室の示す分野で優れた集中力を発揮することがよくあります。多少土星的な要素を持つ惑星と見て扱っていくとよいでしょう。

 

  セレス・・・ごく普通の、野心も権力欲も攻撃性の無い穏やかな女性性を示す惑星です。この惑星のある室とサインの性質や物事を気長に結果を求めずにやり続けます。集団性と言うよりも、むしろ一人でやり続けるような事柄に努力したり意識を集中することが多いようです。関心の対象がアスペクトをつくる惑星によって異なって来ますが、火星や土星と合になった場合は、その惑星の男性的で野心的な気質を和らげることになるでしょう。保育全般、母乳育児、家庭菜園や園芸、手芸などとも関係が深いようです。地水火風では、この惑星は「地性惑星」と言われています。乙女座の支配星と考えているアストロロジャーもいます。

 

  パラス・・・男とか女とかあまり関係なく、中性的な透明な意識でコミュニケーションをとることと関係があります。アセンダントにあると、女の子はボーイッシュで、男の子は女性っぽくなるような面は確かにあるようです。ただ、(異性的な交わりを嫌ったり、同性愛に走るような)それほどの極端さに出るようなことはほとんど無いと思います。この惑星は、利害を伴わない純粋な愛情を表現していると言われていますが、この惑星の影響を強く受けている人は、無邪気で、万年中学生のようなさらっとした友情的な恋愛関係をつくることが多いようです。

 

  ヒュゲイア・・・健康問題を表します。この人生で克服すべき事柄が主に肉体に表れます。これは、その象徴星です。この惑星の位置は、人生の中で何を学び、また学んで来なかったのかを示す一種の「忠告的な病気」を示すことも多いようです。

 

  アステラエア・・・何か困難や不可能な事柄を示します。何か始めようとしたり、成し遂げようとした時に訪れる妨害や困難を示します。時間をきっちり守り、物事の開始や終結のポイントを良く掴むように訓練することが求められます。

 

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